サイトの主旨から外れるかもしれませんが、たまには趣向の違う時計の話題も良いかなと思い、投稿してみます。
画像の時計は約130年前の米国エルジン社のエントリーモデルである18size7石仕様のムーブメントです。
「何だ、7石か…」と急に興味が薄れそうですが、懐中時計を語るにあたり、この機械が頭に浮かびました。
それは何故かと申しますと「安かろう、悪かろう」ではない真に価値のあるモノ造りがなされているからです。
この時計は日本人に人気の12~16sizeよりも大型で重い18sizeにより、7石仕様などオクでも骨董市でも数千円で簡単に手に入るものです。
エントリーモデルと言えどもこの時代の時計は、一般的には高級な工業製品であり、しっかり造り込まれています。
この画像のムーブメントはフルプレートの上に突出したテンプ受けに大型テンプが挟まれた出テンプ式を採用しています。
古い世代の形式である出テンプ式なのですが、私が特に好む点はやたら大きなバイメタル切りテンプに巨大なチラねじがブンブン回り、テンプ受けより8時方向に大きくオフセットされたネジ止めの緩急プレートまで3段階のカーブを描きながら届く長い緩急針などです。
因みにこの個体精度は状態も良かったせいもあり、日差は平置きで6秒、実用携帯精度でも15秒以内と安定しています。
重いのでテーブルウェイトとしても使えます笑
組み紐も良く似合います。
たまには懐中時計に触れるのも、時計の楽しみを深める新たな1つの選択としてご紹介させていただきました。